stand.fm「弁護士しんみなとの弁護士の法律ラボ」書き起こし
【2023年2月1日放送 番外編4 「女神の教室〜リーガル青春白書〜」第4話の感想を話してみた】
さて、本日も「女神の教室~リーガル青春白書~」第4話の感想をつらつらと述べたいと思います。
ここからはネタバレがありますのでご注意ください。
今回は、いきなり藍井ゼミの選抜テストが急に1週間後に・・・学生たち焦ってましたね~しかも、実際のテストでは、90分で論文式も含めて100問!!論文式が10問も出るというあり得ない設定でしたね。
ま、問題は、さすがの藍井先生、良問揃いだったようですが。
今回、私が印象に残ったのは、2点ありました。
真中くんの選抜テスト中の焦り
まずは、真中くんですね。
いい人感丸出しの彼の本性が垣間見えましたね。
ま、第1話から伏線はありましたが、真中くんがああなってしまった原因も見えてきましたね。
それが、私自身すごく共感できました。
やはり、多くの人は大学を卒業すると社会に出る訳ですよ。
しかも、周りが優秀な人が多い場合、みんな大企業に勤めて、飲み会に呼ばれても、周りの同期は「忙しい」「寝てない」アピールに続いて、我々ロースクール生に対しては「学生はいいよな」的な発言。
これ、結構精神的に来るんですよね。
なんか、見下されてる感というか。
そうすると、なにくそと思って見返してやるの一心で勉強してしまう、結果が出ないといつも以上に焦ってしまう。
本来、なぜこの道に進もうと思ったのかという初心を忘れる。
こんな感じになるんですよ。
だから、真中くんの選抜テスト中の焦りはすごくわかりました。
共感しましたね~
ちなみに、選抜テストのとき、みんなボールペンで受験してましたよね?
あれは、本番の司法試験と同じで、答案はすべてボールペンか万年筆で書くんです。
間違えば、横線で消して書くんですね~結構、受験生は、ボールペンにもこだわってましたね~
模擬裁判
あと、印象的だったのは、やはり模擬裁判ですね。
今回の実務演習のテーマは、転落事故。一人親方が転落防止ネットのない建築現場から転落死したという事案でしたね。
正直、被告側が負けることがほぼ確定みたいな事案でしたね。
以前、私が弁護士になる前の学生の時に出会った弁護士の方が「弁護士は裁判で勝つのではなく、裁判で勝てる案件を見極めるのが仕事だ」と言っていたのを思い出しましたね。
当時は、学生でしたし、「なるほど!」と思いましたが、実際に今、実務をやっていると、この考えは一理あるけど、果たしてそうなのか?と疑問を持っています。
確かに、弁護士として独立した場合は、事務所の経営のことも考えないといけませんから裁判で負けてばっかりで報酬がもらえないというのもいかがなものかと思いますが、必ずしも裁判で勝ち続けなければならないわけでもないのかなとも思っています。
今回の実務演習で、被告側の真中くんが和解を求めましたが、今の私ならそもそも裁判になる前に示談で終わらせるように弁護士として活動するかなと思います。
裁判にならずに双方の依頼者が納得して解決できるのが、最もwin-winだからと思うからです。
そこに弁護士としての付加価値を見出すことができれば、この会社の顧問契約であったり、賠償金を支払うとしても報酬がきっちりと払ってもらえたりするのかなと思います。
柊木先生もおっしゃってましたが、「裁判に勝つことだけが弁護士の仕事ではない。」これはその通りだと思います。
裁判っていうのは、あくまでも紛争解決の手段であって、裁判だけでしか紛争を解決できないというわけでもない、「交渉」という手段もあるんだということを改めて認識させられましたね。
もし、これを聴いていらっしゃる方で、弁護士を目指している人がいたら、「交渉」についても学んでみてください。
実務に出ると、この交渉力がものを言います。
今回出てきた法律的な話は刑事訴訟法の話ばかり
今回出てきた法律的な話は、強制捜査と任意捜査、訴因変更、証拠能力とか何故か刑事訴訟法の話ばかりでしたね。
模擬裁判が民事だったから、刑事のことも入れておこうっていう演出だったんですかね?
ま、いずれも非常に重要な論点ですよね。
受験生の方はせっかくの機会なので、復習しておきましょう。
あと、小堺一機さん演じる里崎先生が「今回の模擬裁判では、口頭で主張し合うという民事訴訟の本来の形で」というセリフがありましたね。
実際の民事訴訟は、書面で互いの主張をぶつけ合うのですが、本来的には、口頭主義と言って、口頭で主張を戦わせることが原則になっています。
口頭主義のデメリット、形に残らないとかを補完するために書面が使われているだということは知っておきましょう。
さて、次回以降は、何やら不穏な空気が漂っていましたね~学生たちへの謎の嫌がらせ・・・何がどうなることやら。
楽しみですね。