stand.fm「弁護士しんみなとの弁護士の法律ラボ」書き起こし
【2023年1月11日放送 番外編1 「女神の教室〜リーガル青春白書〜」第1話の感想を話してみた】
ついに始まりましたね、北川景子さん主演の「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」。
皆さんご覧になられましたでしょうか?
ここから先は、第1話の内容にも言及してネタバレもありますので、ご注意ください。
題材はロースクール!
まずは、今の時代にロースクールに焦点を当てるというのが、なかなかチャレンジングというか、面白いなと思いますね。
というのも、実は日本ではロースクールの志願者数と入学者数が減少傾向にあるんですね。
ようは、不人気なんです。
ピーク時は、ロースクールの志願者数は7万人を超えて、入学者数も5000人以上という狭き門のだったんですが、現在では、志願者数が1万人程度で、入学者数が2000人ぐらいにまで落ち込んでいます。
そんな中で、ロースクールにスポットを当てるドラマが始まるということで。
ロースクール出身者の私としては、これがきっかけで志願者数が増えるといいな~と思ってます。
そして、ドラマ全体のテーマとしては、「ロースクールで何を教えるべきか。」というものなのかなと第1話を見て感じましたね。
司法試験は受験資格が必要
ドラマの中でも説明がありましたが、司法試験には受験資格がありまして、その資格を得るためには大きく分けて2つのルートがあります。
一つが、今回のドラマのメインである、ロースクール卒業です。
ロースクールは既習コースと言われる大学等で法律の基礎を学んだ人が入る2年間のコースと未修コースと言われる法律を学んだ経験のない人が入る3年間のコースがあります。
つまり、入学してスムーズに行けば2年ないしは3年でロースクールを卒業して、司法試験の受験資格がゲットできるということですね。
もう一つのルートが、山田裕貴さん演じる藍井先生が通ったルートの予備試験と言われるものですね。
このルートは、予備試験と言われる超難関試験を突破すれば、ロースクール卒業と同等の資格が得られるという制度です。
予備試験の合格率は、4%ぐらいなので、かなりの難関試験ですが、合格すれば、ロースクールに行く時間もお金も節約できることになります。
藍井先生のように大学生のうちに、予備試験に合格して、その後の司法試験にも受かってしまうという猛者も実際にいます。
このように、この2つのルートのいずれかで司法試験の受験資格をゲットすると、そこから5年間、司法試験を受験することができます。
ただ、ドラマでも描かれていましたが、ロースクールって大学院なので、普段はもちろん講義があって、その予習復習に追われますし、もちろん単位を取らないと卒業もできませんからテスト期間中は、テスト勉強に追われるわけです。
それと同時並行で学生は、卒業後に控える司法試験対策の勉強もしないといけない。
私も経験しましたが、まぁ、大変な訳です。
もちろん、ロースクールの授業が司法試験合格のための授業であれば、ロースクールでの予習復習が司法試験対策になるので、いいのですが、ロースクールで教えている方々は当然大学の教授らで試験対策のプロではないわけですよ。
一方で、冒頭でも言いましたが、ロースクールは今人気がないわけです。
その中で、各ロースクールは、入学者を確保するために色んな対策をしているわけです。
その一つが、ロースクールでの司法試験対策です。
このように、ロースクールで試験対策をしてほしいという学生側のニーズとロースクール側の生き残りをかけた対策とが合致して、ロースクールの予備校化という現象が起きているわけです。
ドラマで出てきた、藍井先生のゼミのように、ロースクール内で司法試験対策を行うというものですね。
今回のドラマは、そこに待ったをかけるような形で北川景子さん演じる主人公の柊木先生が登場し、いい法律家になるためには人を知らなければならないという信念が藍井先生や学生らの考えとぶつかり合うという感じなのかなと思います。
民法を制する者は試験を制する
さて、第1話の中身としては、まずは「民法を制する者は試験を制する」という格言が出てきましたね。
これは、まさにその通りですね!だからこそ、「しんみなとたくみの法律ラボ」では、民法を最初に教えているんです。
通常は、憲法から学ぶことが多いのですが。司法試験目指す人は、この格言は覚えておいてほしいですね。
ロースクール内での講義の様子も描かれていましたね。
藍井先生の憲法の講義でしたね。判例百選という、百選と言いながら、実際には判例が200個ぐらい載っている教材を使って、各判例の争点と司法試験の傾向の話をしていましね。
今回は、確か、薬事法違憲判決などの経済的自由が取り上げられていましたね。
私がロースクールで学んでいた時の授業でも、ドラマのような形で先生に当てられて質問に回答していくという方法が使われていましたね~当てられるな!といつも心で祈りながら出席していたのが懐かしいですね~
ま、藍井先生ほど厳しい方はいなかったですが・・・いや、一人いたな。
なんか、ゴニョゴニョしゃべって質問が聞き取りづらいのに、当てられて「すみません、聞き取れなかったのでもう一度質問をおっしゃっていただけますか?」というと、無視されて、教室に沈黙が流れて、「私は質問は一度しか言わない!」って激ギレする教授が。
ま、クセの強い方は多かったですね。
さぁ、そして、今回のメインは、模擬裁判でしたね。
私も学生の時にやりましたね。
めちゃくちゃ準備が大変なんですよね。
ドラマでは、小堺一機さん演じる里崎先生が裁判官役をされていましたが、通常のロースクールの授業だと裁判官役も学生がやるかなと思います。
ロースクールには、模擬法廷があって、そこで実際の裁判さながらの模擬裁判ができるようになっているんですね~
ドラマでは、事案はXさんとかBさんとかアルファベットで当事者が載っていましたが、私の時は、仮名ですが、当事者にはちゃんと名前があったように思います。
ドラマの中では、河村花さん演じる向日葵ちゃんが迫真の演技でしたが、実際の模擬裁判でも迫真の演技する人いましたね~私も迫真の演技派でしたね。
あと、めちゃくちゃ異議を出しまくる学生とかいましたね~だいたい、時間通りには終わらないんですよね~
あと、ドラマでは模擬裁判の様子が学内で放映されてましたが、私の時はなかったですね。
あったら、恥ずかしくてたまらないですよね。
模擬裁判が終わった後に、柊木先生が学生たちを連れて、佐藤仁美さん演じる安藤弁護士のところに行っていましね。
そこで、万引きをした高齢の女性との打合せを学生たちに見せるという場面がありましたが。
あのシーンは、確かに!って思いましたね。
人間って平気で嘘つくよな~と。
さすがにドラマみたいに前科前歴があるかどうかを嘘つかれたことはないですけど、結構嘘をつかれることはありますね。
本当のことを話してもらうためにどう目の前の人と接するかというのは、法律家としては重要なスキルだと思いますね。
それを、学生の時から意識付けしてくれる柊木先生のような教員がいるのは幸せなことだなと思います。
ただ、こう思えるのは、実際に今、実務をやっているからで、ロースクール生の時に気づけるか、気づいたとしても学ぼうと思うのかは別ですね。
ドラマでも描かれてましたが、ロースクール生って司法試験落ちたら、ニートですからね。
やっぱり最大の関心事は、司法試験に合格した後ではなく、司法試験に合格することですからね。
学生たちもそれぞれ個性豊かな面々でしたね。
ちなみに、私は、前田拳太郎さん演じる水沢くんタイプのロースクール生でしたね。共感します。
周りが勉強に集中できる環境にある中で、自分だけバイトをしながら勉強しないといけない境遇にあるという点が当時の私と同じですね~水沢くんには頑張って欲しいですね~
また、第1話では、尾上松也さん演じる風見さんと及川光博さん演じる守宮学院長が殺人事件の新聞記事を見ていたシーンがありましたが、これは今後の伏線として楽しみですね。
おわりに
ということで、今回新しく始まったドラマが、ロースクールが舞台ということで、私の感想を述べさせていただきましたが、今後も楽しみなドラマですね。
ドラマに出てきた判例とか論点とかも解説できるといいですね~今回だったら、犯人性とか正当防衛とかですね。
次回も楽しみですね。
ぜひ皆さんもご覧くださーい!