stand.fm「弁護士しんみなとの弁護士の法律ラボ」書き起こし
【2021年6月21日放送 #4 条文を読もう!-まずは条文についての基礎知識!-】
弁護士のしんみなとたくみです。
本日は、条文の読み方の勉強をしましょう。
皆さん、スマホアプリやネットで構わないので、六法を準備して今回のお話は聞いていただけるといいかなと思います。
今、手元にない方は一時停止をして準備の上、お聞きください。
まずは民法から見てみよう!
まずは、法律の構造を確認してみましょう。民法を開いて見てください。
最初に目次がありますよね?
目次を見ると、「第1編 総則」とありますが、ちょっと飛んで「第3編 債権」を見てください。
すると、「第1章 総則」「第2節 債権の効力」「第3款 詐害行為取消権」「第1目 詐害行為取消権の要件」…と続いています。
このように、法律は、編・章・節・款・目という形で項目分けをしています。
そして、各項目の中に「第●条」という形で条文が組み込まれています。
では、次は条文の中身を見てみましょう。民法第13条を見てください。
第13条(保佐人の同意を要する行為等)
一 元本を領収し、又は利用すること
・・・
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、・・・
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、・・・
()に「保佐人の同意を要する行為等」と書かれていますね。これは見出しです。
その条文に規定されている内容を簡単に示したものです。
そして、第13条とあって、「被保佐人が次に掲げる行為をするには・・・」と続いてます。
ちょっと離れたところに、「2 家庭裁判所は、第11条本文・・・」とか「3 保佐人の同意を得なければならない行為について・・・」とあります。
けど、算用数字の2、3はあるのに「1」はないですよね。実は、「1」は、記載されてないんです。
最初の第13条「被保佐人が次に掲げる行為をするには・・・」というところの冒頭に「1」が隠れてます。
そして、この数字の単位を「項」と言います。
つまり、先程の「被保佐人が次に掲げる行為をするには・・・」という部分は、民法第13条第1項となります。
では、そのまま民法第13条を見ると、「次に掲げる行為」として、漢数字の「一」として「元本を領収し、又は利用すること」。そして、漢数字の「二」と続いてます。
この漢数字の単位を「号」と言います。
つまり、先程の「元本を領収し、又は利用すること」の部分は、民法第13条1項1号となります。
条・項・号という区分を知っておいてください。なお、号の前に置かれる文章を「柱書」と言います。
民法13条でいうと「被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。」という部分です。
では、次に条や項の中での区分を次は説明します。
同じく、民法13条1項を見てください。すると、1項は、2文に分かれてますよね?
2文目として「ただし、第9条ただし書に規定する行為・・・」と書いていますね。
この場合、1文目を「本文」、2文目を「ただし書」と言います。ただし書には本文の規定の例外が規定されます。
憲法はどうだろう?
次に、憲法を見てみましょう。
憲法13条を見てみください。
憲法13条(個人の尊厳、生命・自由・幸福追求の権利の尊重)
これも2文で構成されていますね。しかし、2文目は「ただし」とはなっていません。
このような場合、1文目は「前段」、2文目は「後段」と言います。
本日は、ここまでにしましょう!法律全体の項目だてと条文内での項目だてをしっかり押さえておきましょう。
では、本日も頑張っていきましょう!