stand.fm「弁護士しんみなとの弁護士の法律ラボ」書き起こし
【2022年10月27日放送 #14 商法・会社法の全体像-国民全員から1円ずつ集めたら1億円になるんだな〜-】
弁護士のしんみなとたくみです。
今日は、商法・会社法の全体像についてお話します。
特に、今日は会社法に絞ってお話します。
会社はなんのために存在している?
皆さんは、会社って何のために存在していると思いますか?
お金儲けのため?
しかし、お金儲けであれば、一人でもできますよね?
私も普段弁護士をしていますが、弁護士事務所は個人事業で行っています。
つまり、お金を稼ぐことだけが会社が存在している意味ではないのです。
もっと、別の目的があるのです。
私は、この会社という仕組みを作った人間は本当に天才だなと思ってます。よく思いついたなと。
私が子どものとき、お小遣いが少なくて、欲しいものが買えませんでした。
お正月に親戚が集まると、お年玉をもらえましたが、親に預けたつもりだったのに、なぜかその後その行方はどこへやら・・・
お年玉の捜索願を出したい気持ちです。
その時に子どもながらに、こんなことを考えたことがありました。
お年玉は親に取られるから、お正月に集まるこの親戚の人たちが毎月一人100円を僕に払ってくれないかな?そうすれば、毎月3000円ぐらい集まるのに。100円ぐらいだったら、いいよって言ってくれそうだし。
と。このように小さなお金でも、たくさんの人から集めれば、それなりの金額になるわけです。
実は、会社もこの発想なんですね。
会社の仕組み
ある事業をしたいと思っている人が100人いたとします。
しかし、その人たちは、一人1万円しか持っておらず、その事業を実現することはできない。
このとき、この100人が集まって、一人1万円ずつ出し合えば、100万円になって、この事業が実現できるかも知れませんよね。
このように、会社を使うことによって、小さな資金を結集させて大きなお金を作り出すことができるのです。
一人でやるよりも、大きなお金を儲けることができるのです。
このとき、お金を集めるだけなら、100人全員で共同事業みたいにすればいいじゃないってなるかもしれませんが、そうするとこれが大変なんですね。
例えば、事業のために事務所を借りましょうってなったとき、契約書に100人のサインをもらわないといけないとか。
色々不都合が生じるわけです。
そこで、会社は、法人として、法律上の人格が認められています。
つまり、会社自身が生身の1人の人間のように権利義務の主体になれるのです。
このような仕組みが会社の仕組みです。
すごく便利ですよね。
さて、会社の仕組みはご理解いただけたかと思いますが、皆さんが会社と聞いて思い浮かぶのは、株式会社ですよね。
ですから、少し株式会社について、解説しておきます。
株式会社について
株式会社は、先ほど1万円のお金を出してくれた100人に対して、お金をもらう代わりに、「株式」を発行します。
現時点では、会員証のようなものをイメージしてください。
この株式を持っている人のことを「株主」と言います。
その株式を持っていると、その株式を発行した会社の所有者(株主)の一人であるということを意味します。
会社の所有者(株主)になると、会社が事業で獲得した利益の分配を受けることができます。
株主の皆さんからいただいたお金を使って頑張った結果、これだけ利益が出ました。これも株主の皆さんのおかげです。利益を株主の皆さんで分けましょう。
ということです。
さらに、株主は、会社の所有者ですから、会社の社長の経営に不満があれば、社長の交代を求めたり、会社の方針を決めたりすることもできます。
これが、株式会社の仕組みです。
学生の方にはイメージがわきにくいかも知れませんが、より詳しい内容はYouTube講座でやりましょう!
それでは、本日は以上です。
今日も頑張っていきましょう!